下流志向──学ばない子どもたち、働かない若者たち (内田 樹 著)がだいぶ前に、授業で紹介されていたので読みました。
ベストセラーになった
三浦 展の『下流社会』と似たような題名なんで、どうせ似たような感じで、若者上から目線でみた本なんだろ、と期待せず読んだんですが、なぜ下流志向になるのかを子供たちが学校に入る前に消費者として社会に取り込まれてしまうからという点から説明していて引き込まれました。
特に興味深かったのが、家庭内でも学校でも、不快を表現すること、が貨幣としてやり取りされている現状についてのところ。
例えば家庭内だと、『「不快」のカードを家庭内で一番たくさん切れるメンバーが、家庭内におけるリソースの配分や、決定に際しての発言権において優位に立つことができる』。
結構やりがちなので身に染みました。今後注意します。
あと、激しく絶賛実践中の自分探し。
『「自分探し」というのは、自己評価と外部評価のあいだにのりこえがたい「ずれ」がある人に固有の出来事だと言うことができます』
自分探しは自分の周りの人間に聞けば済む話なのに、新天地、自分を知らない場所に行きたがる
→結局は現状の自分が受けている評価に満足できていないため、全てをリセットしたいだけだ、という指摘が旨に刺さります。
そうなのかもね。
昨日のどっか行きたい願望にも通じるかも知れませんが、いけてない自分をリセットして、本来あるべきだ(と自分が勝手に思っている)姿で評価されるところに行きたいのかもな。
(自分、相当痛い、恥ずかしい子だ。。)
いろんな問題が提起されますが、じゃぁどうしたらいいって回答は無いんですが、あぁなるほどねと腑におちる部分が多く(納得できない部分や、おいおいって部分もありますが)、少なくとも極偏ったデータと偏見に溢れた『下流社会』より、新しい視点での考え方などが提示されていて面白かったです。
困ったな、自分探し。
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